自己紹介

40歳になって、久しぶりの健診で子宮頸がんが発覚。 2011年1月に円錐切除術をおこない、上皮内腺がん(腺がん 0期)と診断されました。 治療記録もかねて、日々のことつらつら書いてきます。

2010年10月16日土曜日

NYからの電話

私の勤めている会社は、
社長、社長夫(Oセンセー)、私、の3人という、いたってこじんまりした所帯だ。

こじんまりしているとはいえ、
社長夫妻は20年以上も事務所を続けており、
大企業もクライアントに持つ。

小さい事務所がここまで実績を積んでいることからもわかると思うが
社長は大変ビジネスに厳しい。
仕事のクオリティに厳しい。
私は社長にいっつもいっつも怒鳴られている。
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土曜日にAmazonから届いた本を読む気力もなく
ただ膝の上において、テレビをぼーっと眺めていた、そのとき。
携帯に非通知設定の電話がなった。

誰だろう?

「こんにちは」

それはNYに遊びにいっている社長だった。

「Oセンセーから聞いたんだけど、子宮がんなんだって?」

社長は号泣していた。

私も「すみません、すみません」といって泣いた。

「自覚症状はなかったの?」
「なんであなたまでがってもうかわいそうに。かわいそうに。」
「どんだけ怒っていても、もうあんたがかわいそうで。」
「子供のことは考えないで、自分の体だけ考えて。
子宮なんてとっちゃっいなさい。あなたが大切。」
「仕事のことは心配しないで。
でも小さい所帯だから、代わりの人を見つける協力だけはしてね。」
「かわいそうに。かわいそうに。」

日本とアメリカ。

二人でずっと電話口で泣いていた。

ずっと怒られっぱなしで、
社長にドンだけ嫌われてるんだって
もう首をきられるんじゃないかってずっと心配していて
うまくコミュニケーションができない自分がいやでいやで。

そう思っていたときに
この社長からの電話は、心底嬉しかった。

私のために泣いてくれる人がいる。

それだけでどんなに心強くなれたことか。

どんだけ何を言われても、社長についていこう。
恩は忘れない。
そう思った。

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